【牛肉の栄養】牛肉はアミノ酸のバランスも最高【アミノ酸編】
牛肉に含まれているアミノ酸について見ていきましょう。
いよいよ栄養編ラストとなりました!!
Part.1 三大栄養素編
Part.2 ミネラル編
Part.3 ビタミン編
Part.4 脂肪酸編
Part.5 アミノ酸編
の全5回のうちのPart.5のアミノ酸編です。
Part.4まではこちらをどうぞ▽
さて、アミノ酸は牛肉にどれくらい含まれているのでしょうか。
種類が多いので、分かりやすくするため
・乳用牛/リブロース・脂身付
・乳用牛/もも・皮下脂肪なし
・和牛/リブロース・脂身付
・和牛/もも・皮下脂肪なし
・交雑牛/リブロース・脂身付
・交雑牛/もも・皮下脂肪なし
・輸入牛/リブロース・脂身付
・輸入牛肉/もも・皮下脂肪なし
の平均値をとって統計を出してみました。
それが以下の表です。
データ元:食品成分データベース
なかなかの量がバランスよく含まれているのが分かりますね~
ではアミノ酸が一体どういったもので、どういう役割を果たしているのか見ていきましょう。
アミノ酸の基礎知識
Part.1の3大栄養素編でもご紹介しましたが、アミノ酸はたんぱく質の主な成分です。
そもそもたんぱく質とは、たくさんのアミノ酸が鎖状に連結したものです。
これらがお腹の中で分解されるため、体内に吸収されるときにはアミノ酸となります。
たんぱく質を作るために様々な種類のアミノ酸が必要となるため、偏ることなくバランスよく摂取する必要があります。
アミノ酸の種類
アミノ酸は体のいろいろな組織を作るのに必要不可欠な物質ですが、体内で合成することの出来る非必須アミノ酸と、体内で合成することの出来ない必須アミノ酸があります。そのため、体内で合成することの出来ない必須アミノ酸は食事から摂取する必要があるんですね。
【必須アミノ酸】
イソロイシン、ロイシン、バリン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、スレオニン
【非必須アミノ酸】
アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、システイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン、チロシン
これらは体内で作ることができますが、システインやチロシンなどは必須アミノ酸から合成されるので準必須アミノ酸と呼ばれたりもします。
アミノ酸の特徴
アミノ酸は臓器や筋肉などの体たんぱく質を作るほか、ホルモンや酵素、抗体、血液なども作り出しているわたしたち生命体にとっては非常に大切な栄養素です。
それぞれのアミノ酸はすべて同じ働きをするわけではなく、個別の役割があるので、ざっくりですが分類して考えてみましょう。
BCAAは筋肉エネルギー代謝や合成と関係
【バリン・ロイシン・イソロイシン】
これらは、まとめて分岐鎖アミノ酸や BCAAと呼ばれることがあります。
BACCは筋肉のたんぱく質に多いアミノ酸で運動時のエネルギー源として重要な役割を果たしています。
脂肪のエネルギー代謝に使われる
【リシン・プロリン・アラニン・メチオニン・アルギニン】
これらのアミノ酸は、体内に蓄えられた脂肪からのエネルギー供給に関わっています。
免疫力を高める
【アルギニン・グルタミン】
アルギニンやグルタミンはヒトの免疫に関わっている物質の働きをサポートすると言われています。
リラックスと集中
【トリプトファン・チロシン】
脳の神経伝達物質を生成しているのがトリプトファンとチロシンです。
トリプトファンは脳をリラックスさせ、幸福ホルモンとも呼ばれるセロトニンの原料になります。セロトニンはうつ病とも関係しているほど重要な物質です。また、チロシンは脳の興奮や集中に関係しているドーパミンを作る原料となります。やる気スイッチですね。
アミノ酸の摂取はバランスよく
ここまで紹介してきたように、アミノ酸はその種類によって様々な役割を果たしていることが分かってきています。
「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」がバランスよく含まれているかを評価した「アミノ酸スコア」というものがあり、このアミノ酸スコアの数値は100を上限とした指標となっていますが、牛肉はこのアミノ酸スコアが100となっている食品です。
バランスよくアミノ酸を摂取したいときには牛肉はひとつの選択肢としてグッドであるということですね。
とはいえ、できるだけ偏った食事からではなく、多くの食品から摂取したほうが良さそうですね。
以上、これまで全5回に渡って牛肉の栄養について見てきましたがそのすべてが終了しました。
全体的にみて、牛肉は栄養バランスの優れている食品ですよね。
健康に関しては様々な見地があると思いますが、少なくとも栄養学的に見れば優秀な食品ではないでしょうか。
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