日本短角種(にほんたんかくしゅ)とその特徴は??夏山冬里方式とは?
牛の種類のひとつに日本短角種(にほんたんかくしゅ)という品種があります。
日本短角種、あまり馴染みのない名前ですよね。
どういう牛なのでしょうか。
日本短角種とは
日本短角種(にほんたんかくしゅ)は、おもに、岩手・青森・秋田、北海道の一部の寒い地域において飼育されています。
和牛で3番目に多い品種ですが、和牛全体の1%にも満ちておらず、希少な和牛です。
飼育頭数にして1万頭弱ほど。
日本短角種の立ち位置
4種類ある和牛のうちの一種で、肉用牛です。
他の和牛の品種については、こちらをどうぞ▽
日本短角種の歴史
東北北部原産の肉用種で、岩手の旧南部藩時代に農業や鉄鉱山での作業、沿岸と内陸間の塩などの物資輸送に利用されていた南部牛という牛がいます。
現在の岩手・青森・秋田の3県の一部で飼われていた品種です。
明治時代になると、流通網の発達から荷役牛の需要は減少し、一方で肉用牛の需要が増えたために、肉用に牛が育てられるようになりました。
この南部牛と明治以降輸入されたショートホーン種やデイリー・ショートホーン種を交雑して改良を重ねた上に誕生したのが、この日本短角種です。
改良方針は飼育地によって一致していませんでしたが、1957年に審査標準を統一、日本固有の肉専用種「日本短角種」として正式に登録されました。
日本短角種の特徴
短角種という名前ですが、黒毛和種などと比較して特別角が短いわけではありません。
日本短角種の名前は、改良に導入されたショートホーン種(つまり短角)に由来しています。
日本短角種の毛色は濃い赤茶の色をしています。
鼻先やヒヅメ、角などは飴色で、有角です。
和牛としては大型です。
体格は、メスの体高130cmで体重500kg、オスの体高140cmで体重800kgにもなります。
日本短角種は放牧に適しており、粗放な放牧でも野草を採食する能力に長けています。
さらに性格も温厚なため、肥育に手間がかからないというメリットがあります。
また、雌牛に関しては、産乳量に優れており、子育てがうまい品種としても知られているんですね。
寒さに強いので、北日本の気候・風土に適合しています。
自然交配も一般的で、受胎させるためにまき牛と呼ばれる雄牛1頭と、数十頭の雌牛を放すことで繁殖させます。
(出典:畜産ZOO鑑)
夏山冬里方式
夏の間は山に放牧し、冬の間は里に下すという夏山冬里方式という方法で肥育されています。
自由気ままに運動したり、好きなときに好きなだけ牧草を食べたりと、のんびりと過ごしているんですね~。
冬は牧草を乾燥させたものをエサとして与えています。
手間がかからないので、複合経営もしやすいという特徴があります。
肥育農家にとっては、例えば稲作や畑で忙しい夏は放牧しておけば良いので手間がかからないんですね。
日本短角種の肉質
日本短角種の肉質は繊維が粗く、またサシの入りも他の品種と比べると劣っています。
肉質が劣っていると一般的には言われたりしますが、日本短角種には日本短角種の良さがあります。
まず、赤身が多く、脂肪分が少ない高タンパク牛肉です。
肉は柔らかく、甘さも十分にあります。
L-カルチニンという、脂肪を燃焼させる効果のある成分も豊富に含まれており、カロリーも低いのでダイエットにも良いでしょう。
赤身の美味しさを堪能したいなら、日本短角和種のステーキなんか良いかもしれませんね!
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